当医院のモットーは“治療より予防!”

7. 米国式歯内治療

歯を残す歯内治療

始めに
皆さん、むし歯が大きくなり神経をとった経験のある方をいるでしょう。
「神経を取ったのに、痛みがとれない」とか「咬むと痛い」「歯肉が腫れた」という症状で再治療となることが多々あります。また、「いつまでも歯医者に行っても直らない」ので途中で面倒で行かなくなったという経験をされた方もいるでしょう。

わたくしも、大学で習ったと通り治療してきましたが、思うような成績がでず疑問を持ちながらも診療してきました。「やれることはやったから仕方がない。」「すべて治ることはないから」「ここまで放置したのだから直らないな」という思いで割り切っていました。

そんな時、大学の後輩の寺内先生のセミナーに参加しました。内容は、米国式歯内治療です。今までいろいろなセミナーに参加してきましたが、横須賀に黒船が現れたような襲撃を受けました。そのときは龍馬になっていました。

日本の歯内治療は、世界標準の治療から10年以上遅れをとり、今の保険制度では、ますます世界との差は開いていくでしょう。
アメリカの歯内療法専門医の大臼歯の治療費は20~30万円、シンガポールでも10万円、日本は、なんと1万円です。
まるで、銀座のお寿司さんの久兵衛と回転寿司くらいの差があるのです。
久兵衛のお寿司を回転寿司の値段で提供する、または回転寿司で久兵衛のお寿司を出すようなことはありえるでしょうか、、、、、、

ありえないでしょう。残念ながら、高品質は高額、劣化なものは、低額なのです。

ですが、さいとう歯科医院を信頼していただいてる患者様のため
さいとう歯科医院は、保険診療で出来る限り米国式歯内治療を取り入れ、治療成績を上げ歯を残し、患者様に喜んでいただきたいと考えております。

歯内治療とは

歯の根の治療です。よく建物に例え説明されています。建物の基礎工事にあたり歯を守るにたいへん大切な治療です。基礎工事ほどしっかりやる必要があります。
リーマー、ファイルという器具で細菌に感染してしまった歯質、神経を丁寧に除去し歯の根っこ(根管)を出来る限り無菌な状態にする治療です。
しかし、根っこの中は暗くて直接みることができず、形態も複雑怪奇のため非常に難しい治療です。

従来から行われている日本の治療の成功率は、抜髄(初めて神経を取る治療)処置では60〜70%、感染根管(抜髄処置が終了し、その後再治療となるケース)では50%を下回るといわれています。
米国式歯内治療は抜髄処置90%、感染根管処置70%と高いです。

米国式歯内治療とは

CTで細部まで検査し治療計画を立てる。(アメリカの専門医でもCTの所有はわずかだそうです。)
使用器具は消毒、滅菌をし、歯の中に唾液が入らないようにラバーダム防湿を行う。マイクロスコープ(歯科治療用顕微鏡)で直接根管内を確認し、根管形成はニッケル チタンファイルを使用する。根管洗浄はEDTA, ピポクロで超音波洗浄、または、エンド バックで60分洗浄する。根管充填はシステムBなどで垂直加圧充填を行う。
このように米国式歯内療法のような最先端治療で十分な時間と費用がかかることが理解できるでしょう。

日本式の従来の治療と米国式歯内治療の比較

 

従来型

米国式歯内治療

感覚

手探り(手指の感覚)

顕微鏡で直接確認

切削器具

手用ファイル
(時間のかかる割にはきれいにならない)

ニッケルチタンファイル
(短時間で湾曲部も形成できる)

消毒剤

FC(アメリカではすでに使用中止)

水酸化カルシューム

洗浄液

NaOCL、H2O2
(根の先端まで洗浄できない)

EDTA,ピポクロ+超音波洗浄またはエンドバック
(根の先端まで洗浄できる)

仮のふた

ストッピング
(食べかすは入らないが、細菌の感染はある。アメリカの専門家は使用しない。)

水硬性セメント
(3週間は細菌の進入を食い止めることが出来る。)

乾燥

綿製

滅菌のペーパーホイント

根充方法
(最後につめる薬)

側方加圧
(細部まで薬が入らないので細菌感染が起こりやすい)

垂直加圧
(根の細部まで薬が入り予後が良い)

成功率

抜髄60%

抜髄90%

 

外科的歯内治療(歯根端切除術)

根の先に膿の袋ができて治らないことがあります。
このような場合、歯肉の方から直接、根の先端の膿の袋にアプローチする治療方法があります。
これを歯根端切除術といいます。
従来法では、成功率は60%でしたが、マイクロスコープを使用することと、MTAセメントにより成功率が90%に向上しました。

滅菌・消毒に対するポリシー